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 性同一性障害を持ちながら、二度と帰らない青春を駆け抜けた 
 「僕」と「ヒロユキ」のノンフィクションの記録です



Ⓒ 2010 story by 灰音 All right reserved.



--------------------!R-18!----------------------

 メンヘルものですので耐性のない方はご覧にならないようお願いいたします 
 性に関する露骨な表現や、暴力的表現、人によったら嫌悪感を催す表現が含まれています

--------------------!R-18!----------------------



♥コメントを頂けると主が大変喜びます♥




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~小学校

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僕は昭和46年、当時30歳の父と19歳の母の間に生まれた
母の身体では自然分娩できず、帝王切開で生まれた一粒種だった
その当時の技術では帝王切開をするともう次には子供は望めなかった

一人っ子として育てられた僕が自意識として初めて認識したのは
父の母へのDV(ドメスティック・バイオレンス=家庭内暴力)だった

やがて僕が小学校に上がると
父のDVは僕にまで及びだしたした
幼い頃から父は何でも僕に1番になることを押し付けた
その期待に応えることができたこともあったし、出来ないこともあった
出来なかった制裁には「しつけ」という名のDVが待っていた

鼻が折れ、顔がドッジボールほど腫れ上がるほど殴られながら
「誰も信用するな」ことあるたびに父は僕の耳元でささやいた

それは簡単な事だった
真っ先に信用しなくなったのは父の事だったから

それでも父に褒めてほしい一心で一生懸命勉強しても
馬鹿な僕には父の期待に応えることができなかった
すぐに熱を出したり小児腎炎を患って虚弱体質だった僕は
スポーツでも一番になったことはなかった

お前が悪いからだ
僕がテストで悪い点を取るたび母がとばっちりを受けて殴られた
母の愛は歪んでいき、父が仕事で不在の時は僕の体の、外からは見えない部分に煙草を押し付けたり
鼻の穴に蜂蜜のチューブの口を突っ込み、力いっぱい流し込んだ

やけどの痛みや息のできない苦しみに泣き出す僕を見ると、母は僕をを抱きしめて
「ごめんね、ごめんね」と泣きながら、今度は女の子の服を着せて優しく可愛がってくれた
自分の受けるDVをいびつな愛として表現していたんだろうと思う
僕はなすがまま、母が飽きるまでつきあってあげた
どこで買いそろえたのか、女の子物の服に包まれて
宝物のように扱われるのは、僕にとって何物にも代えがたい幸せなひと時だった

小学校の間、あざや、今でもうっすらと残るやけどの跡が消えることはなかった
家に居場所はなく、しかたなく学校の保健室で一日を過ごした
小学4年生の時にしつこく教室へと連れて行こうとした、教員免許を取ったばかりのような若い女性担任ともめて、生まれて初めて人を殴った
先生のめがねを踏み割り、顔面にこぶしを打ち付けるのはある種の快感だった
恍惚感と涙でぼんやりとした視界と感覚の中で、幼いながらも自分が堕ちていくのがわかった
「誰も信用してはいけない」それだけが耳の中でこだましていた

校長室に呼ばれ、両親がよばれ、担任がニヤニヤと様子を見守る中
僕は父親に顔が変形するほど殴られた
目の血管が切れて、白目と視界が真っ赤に染まって、鼻からどす黒い粘質な鼻血がどろどろと垂れだして、やっと「問題児」というレッテルを張られた後、暴力から解放された

僕は次の日から特殊学級の児童たちと、校長先生とで「園芸部」という活動をすることになった
学校の花壇の花に水をあげたり、種を植えたり肥料をあげたり。
特殊学級の下級生たちは無邪気に土にまみれ、歓声を上げながら楽しそうに作業をしていた
僕は日陰でその様子を一日ぼんやり見て過ごした

放課後家に帰っても共働きで、誰もいなかったので晩御飯はホカ弁を買って一人で食べるか、食べないかだった
帰ってきても、もう両親共に僕をまともに見ることはなかった
両親のネグレストの始まりだった



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~小学校2

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その時を境に僕に家庭での居場所はなくなってしまい
学校で荒れることで自分の居場所を作ることにしかできなくなっていた

僕の周りには自然にそういう仲間が集まってきた
小学校5年で友達と二人で、初めて理科準備室で盗んできたシンナーを吸った
(ラリったけど、こわくなって1回でやめたけどね)

小学校6年の夏休み、校区の公立中学校の恭子さんという先輩と仲良くなって
原付のパクりかたや、直結のしかた、車のウインドーから
針金ハンガーを加工して突っ込んでロックを外す方法を教えてもらった


夏休み中パクった原付で公園内を走りまくったり、堂々と学校のプールに乗り付けて
夜中の水遊びを楽しんだ

それが近所の人に見られて学校で呼び出しをくらったけど
もうその頃じゃ、教師に何を言われても何も感じなくなって居た


その頃からだったと思うのだけど
僕は母の衣装を身に着け、見よう見まねの薄化粧をして
悪い仲間の溜まり場に行くようになった

今も疑問におもうんだけど女子の恰好をした僕を誰も僕を笑うことはなかった
それどころか「名前」を付けようということになった

今日子、とか聖子、とかその頃のアイドルの名前を次々と口にする友達の中
黙っていた中学の女子の先輩、恭子さんが「ひかる」とポツっと言った

男か女かぱっとは分からなくて、あんまりそこらへんに転がってた名前じゃなかったので(当時)
僕を含めた皆がそれにしよう、ということになった

恭子さんは不思議な人で、中学生にもなって、いつも一人で小学生の僕たちのたまり場にいて、何かの文庫本をずっと読んでいたかと思うと、ふと思いついたかのように、スっと立ち上がると僕たちに「悪い事」を教えてくれた


僕が小学校5年の時、新築の分譲マンションを買って
インテリアを贅沢に飾った僕の家はTVのセットみたいな
全くの虚無な空間だった

無理なローン返済に共働きを始めた両親は夜遅くまで帰ってこなかった
夕食は食卓に置かれた500円玉だった

僕はそのお金をせっせとため込んでは、ゲーセンにいったりお菓子を買うお金にしていた

夜中、両親が罵り合う声で目が覚めたことも何度もあったけど
布団にもぐりこんで小さなラジオから流れるオールナイトニッポンを
聴きながら、眠れない日々をすごした

小学校にはいかないか、いっても保健室にこもっているかのどっちかだった



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万引き

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ある日ホームグランドになってた一角にあるスーパーで
いつものごとく僕達は友達数人と万引きをしていた

罪悪感があったのは最初の1,2回
(スリルと興奮はなんだって回数を重ねるごとに冷めていくよね)

ポケットをめいめいがすきな駄菓子でパンパンに膨らませて店を出た途端
後ろから来た誰かに肩をガっとつかまれた

友達はキョトンとその光景をみていた
僕の肩にかかった手を振りほどくように一気に振り返ると
ガタイのいいおじさんがニヤニヤしてこっちを見ていた

一番小柄で女の子の恰好をしている僕なら
抵抗しないだろうと思ってたんだろうと思う

「逃げて!」
叫ぶと同時に僕はおじちゃんに飛び掛かかった
(喧嘩の仕方とか知らなかったしね)

あっけにとられていた友達たちは
3回目の僕の「逃げて!」という叫び声を聞いてやっと事情を把握したようで
猛ダッシュで逃げ出した

追いかけようとするおじちゃんを僕は必死にしがみついて邪魔をした

おじさんは友達たちが見えなくなってしまうと
悪態をつきながら僕の両手をがっしりと捕まえて
スーパー裏の潰れた段ボールや何かが山積みになってる横の、事務所のようなところに連れて行った

名前とかどこ小学校なの?とかニタニタと半笑いで聞いてきた
そのおじちゃんの口臭が吐き気を催しそうだったのを覚えてる

「で、お嬢ちゃんは何年生なの?」

そういいながらいきなり抵抗するまもなくおじちゃんの手は
ワンピースの胸元からスルスルっと僕の胸に忍び込んでた

ばれた。女装してるのがばれた。そう思った。

目の前が真っ暗になった。万引きとかは全然平気だったけど
女装がばれたことが顔から火が出るくらい恥ずかしかった

ギュッとつぶった目を薄く開けると
小鼻を膨らませて明らかに興奮している中年男の
脂ぎった汚い顔がアップで僕の視界に飛び込んでた

馬鹿なのか無知なのか興奮のあまりなのか
僕が男の子とは全く気が付いてないようで安心したけど
この格好のまま親とか呼ばれたらと思うと気が遠くなる気がした



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制裁

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あるはずもない胸をまさぐられ
時には乳首をつねられながら、僕は父親に殴られているときのように
ココロをからっぽにして耐えた

痛みも悲しみも喜びも何もない真っ白な世界
時間だけが過ぎていく空間に思考を飛ばした

おじちゃんは僕の膝小僧をペロペロとなめて始めて
舐められている僕の姿も第三者が見ているように
僕には見えていた

せめてもの救いは、男の子だとばれていない様子だった

ひとしきりその汚い行為が終わり
おじちゃんはベルトを緩めてズボンを下ろした

知識としては知っていたので、これからそのおじちゃんが
何をしようとしているのかはすぐにわかった
怖くて仕方がなかった
ドラマのようにここで救世主が現れるなんてことはなかった


絶望

「お嬢ちゃんのお名前と小学校、一緒にいたお友達の名前を言いなさい
そうしたらこれ以上はなにもしないから」

見たこともないくらい大きな硬直した大人のペニスを握りしめながら
ニタニタ笑いのおじちゃんは猫なで声をだして聞いてきた

絶対言ってやるもんか
いつものように心を真っ白な世界に飛ばせば
なんだって耐えられる、そう思いギュッと目を閉じて耐えた

言ったところで、この男がその行為をやめないであろうことは
本能的に察知していたんだとおもう

「しょうがないなあ」

そういうとおじちゃんはニタニタ顔を今度は真っ赤に染めて
左手で僕のほっぺたを力任せに平手打ちしながら
右手でペニスを激しくしごき始めた

あまりの平手打ちの威力に座らされていた椅子からこけた僕に
今度は馬乗りになってまた平手打ちを加えながら
しごきつづけた

永遠とも思える長い時間が過ぎた後
「あ~」とも「う~」ともつかない声をうめきながら
絶頂を迎えたらしいおじちゃんは僕に見せつけるようにペニスを口元にもってきた

おじちゃんの顔面殴打で鼻血は止まらないし
口の中も切れて血の味しかしなかった

鼻血のせいで息もしにくくて口でしか息のできない僕の口に
おじちゃんはペニスをねじ込んだ

とても小学生の口に収まるようなものではなかった

息苦しさでもがくのと同時に膨れ上がったおじちゃんのペニスから
なにかが口の中にずるずると流れ込んできた
気持ちが悪くて吐きそうになった

「飲め」

おじちゃんの命令はさっきまでの熱っぽい声とは打って変わって
氷のような冷たさで耳に届いた
逆流した鼻血と、切れた口の血でもう血以外の味なんて何もしなかった

僕は人形
僕は人形
僕は人形
僕は人形
僕は人形

自分に言い聞かしながら血みどろの鉄の味しかしない痰のようなジェリーを飲み込んだ

ひとしきりの行為が終わるとおじさんはペニスと僕の顔を薄汚れた箱ティッシュで
ざっとふき取ると屑籠にそれを捨てて、自分のパンツとズボンを引き上げて履き直すと

「じゃあ、いっていいぞ。けど分かってんだろうな?なにがあったか誰かにチクったら今度はもっとひどい目に合わせて警察に付きだすぞ。」

といい放ち、僕をその小屋から追い出した

今考えるとこの男が僕にここまでしておいて警察になんか届けられるはずがないのに
その当時は恐怖と逃げ出したい一心で、うなずくと
一目散にアジト(たまり場をこうよんでた)にも寄らず
モデルルームみたいな嘘だらけの家に戻った

相変わらず誰もいない家でシャワーを使って体中をこすりまくって
それでも綺麗になった気がせず何度も洗い、歯磨きも繰り返し繰り返し何度もした
そうしてやっと布団にくるまったけど
一晩中涙が溢れて、恐怖と混ざって一睡もすることはできなかった



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罪と罰

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それから4日の間、部屋に閉じこもって学校を休んだ
親は部屋を執拗にノックしてたけど、無視し続けた

顔の腫れはひいていたけど他人に見られて、理由とか聞かれるのも怖かったし
またあのおじさんに会ったらどうしようと、怖くてたまらなかったからだ

5日目の朝、いつものノックを無視して親が仕事に行くのをやり過ごして
部屋で発売されたばかりのファミコンでマリオブラザーズをやっていると
昼過ぎに、例の中学の先輩、恭子さんと僕の悪友のサノが一人訪ねてきた
サノの顔は赤く腫れていた

「どうした?」

僕はサノの顔を見て、そいつもあのおっさんにつかまったのかと思った
でも、サノは肩を落とし、かぶりを振ってうつむいたままだった

「この子、あんた(僕)を見捨てて逃げたんでしょ?だから私がヤキいれた」

恭子さんが小さな声でポツっと言った

「いや僕が勝手に逃がして…どんくさいから僕だけつかまっちゃった…んです」

恭子さんには僕の声が届いてないようでした

「ほらあんたからも謝りな」

サノの頭を後ろからはたく恭子さん
サノはバツが悪そうに「見捨ててごめんよ…。」とうつむいたまま言った
僕にはそれで十分だった
こいつがあの変態オヤジに捕まらなくてよかった

「全然。大丈夫、大丈夫。チクってないし安心してよ。」

悪友に向かって笑いかけた
サノは涙ぐみながら何度もうなづいていた

「ほんならあんたはもう帰っていいよ。私はこの子と話があるから。」

「うん…じゃあヒカルまたな…。」

気まずそうに、僕と恭子さんを交互に見て、もう一回お辞儀すると玄関から出て行った
そうして恭子さんと僕は2人きりになった

「上がっていい?」

と言うと、返事も聞かずに玄関に靴を脱いで家に上がってきた
恭子さんはまるで我が家のように僕の家を見て回った

「あんたんち金持ちんなんだね」

年上の恐い女の人と二人きりになって、僕は緊張したけど
恭子さんが何も言わずに、僕の横で体育館座りをしたので
僕も一緒に体育館座りになった

「飲み物ない?」

あっと気が付き僕は冷蔵庫からコーラを2瓶だして、栓を抜くと
片一方を恭子さんに渡した
(まだペットボトルなんてそんなに普及してなかったからね)

「ありがとう」

受け取って、一口飲むとしかめっ面になって

「この炭酸のジャーってなるの苦手。でもおいしい。」

僕はこんな恐そうな人でもそうなんだと思って、急に親しみを覚えた
二人で並んでコーラを飲んでるうちに
夜遅くまで誰もいない事や、夫婦喧嘩が絶えない事
なぜかわからないけど全部しゃべった
一度しゃべりだすと、止まらなかった
捕まった後、何をされたかも顔中涙だらけになって話した
その間恭子さんはずっと一点を見つめて黙って聞いてくれていた

全部話し終わると僕たちは何もない部屋で隣通し寝転んで
無言の時間を過ごした
もう部屋には西日が差しこんできていて、コーラはぬるくなっていた

しばらくして恭子さんは起き上がると言った

「ねえ、ヒカル、あんた今度はウチにおいで。ここよりずっと居心地いいよ。」
「うん…。」
「約束ね。」
「うん。」

そうして恭子さんは帰っていき、また僕は一人になった

それから僕はアジトに出かけることもなく
部屋で一人で過ごして本を読んだりゲームをしたり
居間のTVをみたり全く学校に行くことはなくなった

暇なときは新聞の隅から隅まで株式のところまで読んで過ごした
学校へ行っても、また嫌な先生と顔を合わせなくちゃいけないと思うと
とても行く気にはなれなかった

ある日、新聞をまたじっくり読んでると
3面記事の一角に小さく、あの万引きで捕まったスーパーの事務所が半焼して
巡回補導員の男性が大怪我をしたことを知った
少女Aが補導、児童相談所送りになったことも書いてあったので
きっとこれは恭子さんが、僕の代わりに復讐をしてくれたんだと思った


やがて白木蓮の大きな花が、道路に汚い死骸をまき散らす頃
担任の先生が卒業証書を持ってうちにきた

何の感慨も受けなかった
家にも上げず、玄関先でドアチェーンをかけたまま受け取った

ただ小学校の季節がおわったのだなと感じただけだった



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出逢い

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その頃の高知県では成績優秀な人は、中高一貫の私立学校へと進み
そうでない人は公立の学校に進むことになっていた

小学校を卒業した僕は中学校には入学式も行かず、それ以来勧められるがまま恭子さんの部屋に入り浸っていた
スーパーの事務所を半焼させたのは、やっぱり恭子さんだった
恭子さんは一週間の相談所送りと1年の保護観察という処分で終わった

恭子さんの部屋は僕のマンションの一室よりもずっと居心地がよくて
いつまでも居られたし、お互いに何もしゃべる事はなくても奇妙なバランスが取れていた
恭子さんのお母さんは夜働いてて、昼過ぎになると起きだしてくるので
僕は朝、親が出勤するのを待って昼までごろごろして恭子さんちに行った
彼女が学校に言ってる間は、いつも「片付けられない症候群」の彼女の部屋を片付けたり
ラジカセでARBやBOφWYのカセットを聴いたり、することはたくさんあった


今の若い方のために書いておくと
当時の公立中学校には、僕の中学校も含めて「校内暴力」の嵐が吹き荒れていて
教室の窓ガラスは全部割れて、休み時間になると廊下を原付で走りながら
教室に爆竹を放りこんだり、校舎裏ではアンパン(シンナー)を吸ってるギャラリーの前で
ファイトクラブのような覇権争いの喧嘩が日常茶飯事だった
そんな学校に行く気は全くなかったし、興味もなかった

そんなある日、僕があいかわらず恭子さんの部屋で雑誌なんかをめくっていると
ガタイのいい中学生が一緒になって帰ってきた
(あ、恭子さんの彼氏さんかな?)とおもってパッとおきあがって
「はじめまして、恭子さんにはお世話になっていますヒカルです」
とぺこりと頭を下げた

無言でこっちをジロっと睨まれた…いやなかんじ…
「ヒカルってよーガッコきてないよねー。もうどんくらい?」
恭子さんが3人分のジュースをコップに注ぎながら聞いてきた

「ん~2週間くらいやとおもう…」
「そっか~。。。そろそろいってみない?」

ちゃぶ台の上にコップを並べながらこっちを見た
「行ってもすることないし、また殴られたりするのも…いやだし…」
「あ~それは大丈夫ヒロユキがいるし。守ってくれるって。ねえ?ヒロユキ」

ヒロユキと呼ばれたその人をちらっと見ると(じーっと見るのが怖かった)
うんうん、と笑いながらうなずいていた
あ、笑うんだ、と何でか思った。思ったより怖くなさそう。

「それから、これ」
恭子さんは衣装ケースからなにやらごそごそと引っ張り出すと
知らないブランド名前の入ったビニール製の袋を僕に渡した

「え~なにこれ?くれるの?見ていい?」
「見てみて、絶対似合うと思うんだよね」
ニコニコ意味ありげに笑う恭子さんを見ながら袋から中身を取り出すと
それはセーラー服でした

絶句…。
当時の僕の身長は145cmとかなり小柄だったし、髪も小学校5年から切ってなかった
「え?普段着?」
「まさか、それ着て学校通えばいいじゃん」

再び絶句
「まーまーいいから、一回着てみてってば」
恭子さんは心底楽しそう

幼少のころ、小学校の頃、女性ものの服を着ていた僕には抵抗はあまりなかった
でも実際に着てみると、上着の丈は詰めてへそまで見えそうだし
スカートも膝上10cmぐらいのミニに改造してある立派な改造制服

「これ、ヤンキーの服じゃん!!」
「なんだったら下着とブラもあげようか?」

…とりつくしまもありませんでした
(ブラだけはもらったんですが…)
「どう?ヒロユキ?可愛いでしょ?」
恭子さんがグリっと僕の身体をヒロユキさんのほうに向けて聞いた

僕がドキドキしながらヒロユキさんのほうを見ると
ヒロユキさんも無表情で上から下まで僕の姿をみつめると
にっこり笑ってサムアップ(親指だけを立てるサイン)してくれた

それがヒロユキと僕の始めての出会いだった



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初登校

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それから恭子さんからの贈り物を家に持って帰った僕は
こっそりと髪型をいじったり、セーラー服をきてみたり
自分の部屋で研究を重ねていた
ブラはさすがにつけずじまいだった
ものすごく幸せなひと時だった。性的欲望など皆無で、むしろ学ランを着る苦痛より、全然開放感が違った

2日後恭子さんに電話した

「明日、ガッコいくよ。」
「わかった。むかえにいってあげるからね♪」

登校する日の朝、チャイムが鳴って恭子さんとヒロユキさんが玄関先で待っていてくれた
3人で初登校だった
恭子さんは3年のクラスにヒロユキさんは僕のクラスに一緒についてきてくれた
クラスには小学校の時の友達もいた
そいつが僕を見て、誰も使ってない後ろから2番目の席を使うよう教えてくれた
ヒロユキさんは僕が席に着くのを見て、クラス中をにらみつけて2年のいる2Fへと去っていった

始めは名前と姿かたちが一致しなかったクラスメートもやっと僕が女装していることに気づき

「オカマがいるぞ~~!!オカマオカマ!!」

口々に囃し立てられました
じっとうつむいて机を見ていることしかできなかった

やがてHRがはじまり担任は僕を見るなりギョっとしたようだったけど

「お~○○ようやくきたか~。あとで生徒指導室にこいよー」

といったきり、通常のHR(?初めての事なのでわからなかったけど)
を済ませて、僕を生徒指導室に連れて行った

「ようやく登校してきたな。小学校の先生から申し送りで一応きいてはいたんだけど
問題児らしかったじゃないか?けどまさか女子の制服で来るとは思わなかったぞ、わはははは」
意外と話の分かる先生かも…?

「うちは校内暴力とか非行少年ばっかりで、どーしようもない学校だし
お前の服装に関してもどーも言わん。取り上げても、また次の女子の制服きるだけだろうが?
ただ学校だけはちゃんとこい。勉強分からなくても、とりあえず出席だけはしてくれ
それと、真面目に授業受けてる奴の邪魔だけするな。そしたら卒業さしてやるから。」

というと、ドカッと教科書の山を僕に手渡した

「はぁ…。」

「んじゃいっていいぞ。」

え、それだけ?あっけなかった。
それだけ時代は校内暴力にあふれ、学校は無法地帯だったということかもしれない
小学校の担任からの内申書?というか申し送りで「問題児」は既にチェック済みだったのかもしれない

重い教科書の山をよろめきながら持って教室に帰ると、クラスメートたちの視線がジロジロと突き刺さった
救われたのは、小学校の悪友が一人だけだったけど同じクラスにいたこと
例のサノだった
サノは後から聞いたことだけど、恭子さんから「セッキョー」を食らって、僕のガード役を命じられていたらしい
奴は校舎の説明とか、購買部の場所なんかを教えてくれたけど
単に遊びに来た気分の僕の頭の中にはサッパリ入ってこなかった
授業で教師が変わるたびにジロっと見られたが、何にも言われなかった
教師の授業内容は退屈だったけど、教科書は新鮮で面白かったので授業中はずっと教科書ばっかり読んでいた
昼休みに、サノについてきてもらってナップサックとシャーペンとノートを買った
上履きは買おうにもその日の持ち金が尽きたので、来客用のスリッパをペタペタはいたままだった
なんとなく一緒に昼ごはんを食べる流れになって、パンを教室で食べてると

「よう、サノ。いい彼女が出来たな」

とからかう声が飛んできたけど、サノは怒るどころか真っ赤になってうつむいていた
うん、前から思ってたけどこいつは変なやつだ
サノに教えてもらって教科書は教室の後ろのロッカーに全部放り込んだ
シャーペンとノートは机の中
ナップサック買う必要なかったなぁと思った
「なあ、ヒカル?」
サノは唐突に聞いてきた
「ん?」
「なんでまたセーラー服なんだよ」
「え?似合ってない?」
「違うって、そういうことじゃなくってさ。」
「じゃあ似合ってる?」
「うん、とっても。じゃ、なくってさ!」
「なんだよ!」
「ただでさえこの校区、柄悪いのばっかりのばっかりなのに、目立っちゃうとシメられるぜ?」
「あ~~そういうことね。でもこれさ…恭子さんが着ていけって…」
「…全くあの人は… あーもうよくわかんねえ。でも一応警告はしたからな」
「うん、ありがとう」
「いや、ありがとうじゃなくて気をつけろって言ってんの」

そういうとなんか不機嫌になったらしいサノは頭をガリガリかきながら教室を出て行った
やっぱり変なやつ。



そしてサノの警告通り早速その日の放課後僕は1年生の不良グループによびだされた

不良グループとはいっても同じ一年
この間までランドセルに笛さして通学していたようなジャリ
恭子さんやヒロユキさんという先輩たちと付き合っていた僕は完全になめていた

呼び出しを無視して授業が終わると速攻家に帰った

財布も空だったし、久しぶりにゲーセンにも行きたかったので
机の中から2千円だけ補給して着替えて家を出た
途中で文房具屋さんで大ぶりなカッターナイフを買った
ガチャガチャと刃がでてくるやつ
何の用意もせずに大勢とやりあうつもりはなかった

何事にも準備は必要だよね。



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中学生活1

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次の日は完全に寝坊していたので
親の買ってくれた学ランを着て、セーラー服は袋にきれいに畳んで袋に入れて家を出た
途中ひょっとまだいるかもしれないと思い恭子さんの家によって
チャイムをならすと案の定、寝ぼけ眼の恭子さんが玄関からパジャマのまま顔を出した

「んん?私今日学校やすむよ?」

思いっきりサボるつもりみたい

「あ、いや、この服ありがとう。面白かった」

といって袋を恭子さんにさしだすと、手をヒラヒラさせながら

「いいよいいよ、それ私のお古だし、もう着ないからあげるよ」

と大あくびをしながら言ってくれた

「いや、でもほら僕んち親厳しいし朝これで家でるわけにいかないし…」
「あ、そうか」
「恭子さんちで着替えらしてくれない?」
「ん~~うちはオカンが夜遅いから、朝バタバタしたくないんだよねー」

恭子さんちはお父さんがいなくてお母さんが夜働いていた

「そうかぁ。。。」
「あ、ヒロユキんちは?あそこ親、なんにもいわないんじゃない?放課後いってみる?」
「あ、うんうん」

そんな約束をして学校に向かった
授業はとっくに始まっていて、体育の授業をしているクラスがいて、その様子をしばらく見ていた
あんまり楽しそうじゃなかった
自分があの体操服を着てグラウンドを動き回るのを想像するだけでうんざりした
そのうちに体育教師がこっちを見て、目が合ってしまったのでペコっと頭を下げて仕方なく校舎に入った

教室の後ろの戸をカラカラとあけて入っていくと
また授業をしていた教師がこっちをにらんだので、ペコっと頭を下げた
学校ってこんなにペコペコ頭を下げなくちゃいけなかったっけ?

座席に座ると、僕の机には彫刻刀か何かで「オカマ死ネ」とご丁寧に掘り込んであった
ひまなやつら
クラスメートの数人がこっちを向いてニヤニヤしていた

休み時間そいつらの一人が来て言った
「昨日は呼び出し無視しただろ?今日はつきあわすからな」
自分ではドスを効かせたつもりの声変わりもしてないかわいい声だった

どっかの極道でもないだろうにメンツにこだわってどうするんだ、と思いながらも
尻ポケットのカッターをズボンの上から確認して、苦笑交じりでうなずいた

とはいえ、恭子さんとの約束もあったので放課後、また今日もシカトして逃げるつもり満々だった
だけど授業が終わると同時に数人に囲まれて両腕をつかまれてしまった

(おわった…逃げれないなぁこれは…)
そうおもいながらもずるずると校舎裏の自転車置き場横の特設リングに連れていかれた

でも、なんか喧嘩するような雰囲気じゃない…あれ?…
一番奥に座ってたガタイのいいのが出てきて、僕の正面に立って言った
「俺、雄一。一応一年のリーダーになったみたい」
「みたい?」
「うん。自然と。」
面白そうなやつ
「で、ここまで連れてきて何するつもり?僕をリンチ、とか?」
「まさか。お前何にも悪いことしてないじゃん」

見回すと小学校の頃の悪がき、サノと目が合いました
「お前もこのグループ入ってたんだ?」
サノに向かって一応聞いてみた
サノは目で合図した

「ということは勧誘?」
「そうそう。俺達とツルまないか?」

僕は正面に立つ雄一の耳元に近づき小声で言った
「僕、2年のヒロユキさんとか3年の恭子さん達とツルんでるんだよね、ごめん」

雄一はしばらく考えてから、口を開いた
「じゃあお前、この中のだれかとタイマンはれ。勝っても負けてももう手は出さない。皆いいな?」
一同をみまわしながらそう言った
こいつVシネとかビーバップかなんかの見すぎだろ…
というか変な派閥争いに僕を巻き込まないでくれ

僕は一番体格はいいけど愚鈍そうなやつを指さした
誰とやっても勝てそうもないし
負けても、一番大きな奴とやって負けたなら
それなりの大義名分は立って、二度と声はかけてこないだろうと思ったからだ



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中学生活2

Category : Uninstall 1.01
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勝負はあっという間に決まった

柔道かなんかの技で地べたに叩きつけられて
馬乗りに乗っかられた
何発が殴られた後、なんとか自由になった手を伸ばした僕はそいつの両耳たぶを、思いっきりあさっての方向にひっぱった

ミチミチという音とともにそいつの耳たぶは裂けて
やった僕がびっくりするほどの血が出た
ボタボタと垂れてくる血に「やりすぎた」とパニックになってるうちに
自分の血が僕の制服や顔に染みを作るのを見て
逆上したそいつは思いっきり殴り返してきた
何発殴られたか知らないうちに気が遠のいていた


「おい…おい…」

「ヒカル」

聞き覚えのある声に全身打撲と筋肉痛の僕がようやく目を開けると
恭子さんとヒロユキさんがいた

帰りに恭子さんとヒロユキさんちに行く約束をしていたのすっかり忘れていた
僕のクラスに迎えに来た2人が、クラスメートに僕が連れられて出て行ったのを聞いて、探していたらしかった
2人が見つけたときには僕だけが転がって、他のやつは誰もいなかったそうだ

立とうと思ったけど足腰に力が入らず、全然立てなかった
どこかを動かすたびに、体中がビキビキ悲鳴を上げていた
アドレナリンはとっくにきれていた

やれやれといった表情を浮かべると
「よっこらせ」と言いながら、ヒロユキさんがおんぶをしてくれた
恥ずかしいやら情けないやら嬉しいやらで、感情がごちゃ混ぜになって、こらえていた涙がぽろぽろこぼれた
散乱していた荷物をナップサックに入れてくれて恭子さんが持つと
そのままヒロユキさんの家までつれていってくれた

道すがら、おんぶされてるのがとても恥ずかしくなって、何度も「下して」と言いたくなったけど
なんだかおんぶも気持ちよかったし、怖い思いをした後の安心感もあった
それに下してもらっても、絶対一人では歩けそうにもなかったので、おとなしくおんぶされたまま、またこぼれそうになった涙をしゃくりあげながら我慢してた

ヒロユキさんの家は1Fが町工場っぽい所でで2Fが自宅だった
6畳くらいの畳の部屋におんぶした僕をねかすと
「オカン、救急箱」とヒロユキさんが奥の部屋のほうに声をかけた
ヒロユキさんの一声でお母さんが「あらあら」とかなんとか言いながら、救急箱を持ってきてくれた
オキシドールがやけに染みたのを覚えてる

「眼は病院行っておいたほうがいいかもな」
その言葉にドキっとしながら壁に立てかけてあった鏡を見て、自分ながら吹き出してしまった

顔面はジャガイモみたいにでこぼこになって痣が黄色、緑、黒と絶妙のグラデーション
左目の白目のところは血管が切れたのか全部赤
あんまりの変わりようにおかしくなって
ゲラゲラわらっていると心配そうにヒロユキさんが
「頭もブン殴られたのか?」
と、聞いてくる始末

それを聞いて僕はまた笑い転げてしまった
呆れ顔で見つめる恭子さんとヒロユキさん

いくらなんでもその顔で帰るのはまずいだろうということになり
ヒロユキさんのお父さんに電話してもらうと
僕は生まれて初めての外泊許可を親からもらった



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