< 2017.05 | 2017/06 | 2017.07 >
123456789101112131415161718192021222324252627282930      

ひと足早いサンタクロース

Category : Life
テーマ : 幸せになる方法
ジャンル : 心と身体
ゆうべもあまり眠れずに、明け方になってウトウトしていたら
チャイムの音で目が覚めました
時計を見るともう11時になっていました
せっかく寝入れたのに、起こすなよなあと思って戸口越しに
「どなた~?」
と聞くと
「俺、俺、M」
あれ?今日来るなんて聞いてなかったぞ?と思いながら相変わらず乱雑な部屋に招き入れました
「相変わらず掃除してないな……」
「へへ……」
「『へへ』じゃない。着替えてもないじゃん」
「あ~……うん」
「服装と部屋の乱れは心と頭の乱れっていうぞ?」
「ごめん……でも、なんかオッサンみたいな事言うね」
「俺、オッサンやし」
とか会話しながら、Mの持参してきてくれたあったかい缶コーヒーで、朝の薬を飲みました
私は一人暮らししだしてから、寝起きが昔のように悪くなっています
ボヘーっとしながらタバコをプカプカ吸ってるうちに、Mが目に付く大きなゴミを片付けてくれました
そんなMをみながら
「今日は何しにきたが?」
と聞くと、ん?っと振り返って
「灰音、お金持っちゅう?」
と聞いてきました。自慢じゃないが私は生活保護受給者。お金はそんなにない。特に人に貸す金はビタ一文ない。
ぼやけた頭で今月のやりくりとを考えながら財布の中身を確かめました
「ちょっとやったら、あるけど。。。お金、困っちゅうが?」
「違う違う」
「ほんならなんで?」
ん~っと言いながらMは勝手に人の部屋に作り付けの衣装収納スペースを覗くと
「灰音、顔洗ってき。出かけるで。」
と言いました。
なんじゃいこいつ、と思いながらも渋々洗面を済ませて外着に着替えました
Mはその間もふむふむ言いながら人のワードローブをいじりまくってました
「準備できたけど」
寝起きプラス部屋漁りで不機嫌な声で呼びかけると、一向に気に止めない様子で
「んじゃ行こうや」
と先に部屋を出て下に降りていってしまいました
なんかマイペースでむかついたけど、Mはいつもこうなったら止まらないので、渋々付いていき車に乗りこみました
オンボロ箱バンなのにMはビュンビュン飛ばします
「ねえ!ねえって!」
「ん?」
「ドライブ行くが?そんな気分じゃないし……寝たい」
「たまには外の空気吸って、お日様の光浴びんといかん」
「いや、そうじゃなくって!何しに行くが?」
「ああ。まあ待ちや」
それ以上会話をする気にもなれず、窓を開けてタバコを吸いながら外を見ていました
なんか平日やのに、人結構いるんだなあとか思ってると、何やらウインカーを出して一件の店の前で車が止まりました
「着いたで」
Mがサイドブレーキをかけてエンジンを切りました
「は?」
「は?じゃない。今日はここでお買い物。」
「え?」
「灰音、髪切って男の子みたいになっちゅうろ?今までの女物似合わんやん?それやのにお前んち男物って2着ぐらいしかないやん。だからお買い物」
「え?」
お店の看板を見ると大型の古着屋さんでした
「あ、でも私、外出んし、ほとんどパジャマやし。洗濯、まめにするほう……やし?」
「うそつけ(笑)」
チっこいつ見透かしてやがる
「まあえいわ。いくぞ~」
そう言いながらさっさと車を降りるM。置き去りにされるのも嫌なので一緒に降りました
店の中は服がいっぱいで、めまいがしそうでした。救いはお客さんが私達2人だけだったこと。
「お客さん、いないね」
Mにこっそり言うと
「だから平日のこの時間に来たが。灰音、人ごみに入ったら吐くやん?」
「う、うん……」
私は買い物というものをここ最近ネットでしかしてなかったので、現物を触りながら買い物をするのは、すごく久しぶりでした。
(お、お高くないのかしら、ホホホ)とか、もう嫌な汗が出てきながらも手近にあったパンツの値札をこそっと見ると、あらら結構リーズナブル。
でも、男服って何選んでいいのか(何が似合うのか)よくわからない……。
商品に触るのも怖くてプラプラしてました
「灰音、いいのあった?」
「わからん」
「えぇ!?何が?」
「何が何やらわからん」
陳列された商品に圧迫されそうなのと、満足に服すら自分で選べないのとで半分パニックになって、涙目で硬直していました
「……わかった。待ちより。」
「うん」
「予算は?幾ら持ってきちゅう?」
「いちまんえん!」
「わかったき、そこで待ちより」
「うん」
一人で待っていると、今にも店員が来て「お客様お気に召したものありますか?」とか「どうか手にとっていただいて結構ですよ」とか「ご試着なさいます?」とか言われそうでプルプルして動けませんでした
そこへやっとMが服を抱えて帰ってきました
「あった、あった」
「……うん」
「どうした?気持ち悪いか?」
「うん……」
「じゃあ、早めに切り上げて帰ろうか。とりあえずこれ試着してきいや」
「うん」
パンツと上着が2着ずつとアウターが一着。
どれも私の体にぴったりでした。
でも、アウターの値札をひっくり返してみるともう一万円近くしました。服を着替えて、しょんぼりしながら待っているMのところに帰りました
「どうやった?」
「うん。サイズちょうどやった」
「フフフ、お前のカラダの事ならなんでも知ってるぜ?なんてな(笑)」
「笑えんわっ!」
「で、どう?気に入った?」
「うん。でも似合うか似合わんか……普段着ないもんばっかりやしわからん」
「あ~大丈夫大丈夫。それは俺が保証する」
「2種類あったけどどっちがいいと思う?」
「あ?いいからいいから灰音は財布から一万出す。」
「え?あ、うん」
頭の中が「?」マークでいっぱいになってたけど、もうそんな店舗で買い物とか、試着とか、色々テンパりすぎて訳がわからなくなってたので、財布から1万円札を引き抜いてMに渡しました
「じゃあ、待ちよりよ。」
そういうとMは服を抱えて、レジに向かいました
私はなんか悪いこともしてないのに、何かその場に居づらくなって店の外に出ると自販機で水を買って頓服を飲んで座り込んでいました
しばらくしてMが店の名前の入った袋を抱えて出てきました
「こら!一人で何飲みゆう!!」
「あ、ごめん……何か飲む?」
「俺、コーヒーね。あったかいブラック」
「うん」
ゴトンと音を立てて落ちてきたコーヒー缶を持って振り返ると、Mが袋を私の目の前に突き出しました
「これ。」
「あ、うん。はい、これ。」
と缶と袋を交換しました。
「お金、足らんかったよね?」
「あ~、うん。かまんかまん。」
「なんでよ?このアウターだけでもう私の予算ギリやん?」
「まあ、ええやん。ちょっと早いけど誕生日とクリスマスのプレゼントってことで」
う~ん……これは喜んでいいんだろうか?しかしなんでまた……
「ありがとうは?」
「あ、ありがと……」
もしかしてMは私に「ホの字」(昭和の匂い)なのか?それともただの心配症なのか?
私の頭は余計にゴチャゴチャになって訳がわからんようになった

「あ、灰音見て!見て!」
「え?」
「上!上!」
「あ!飛行機雲やぁ!」

真っ青に晴れ渡った空に綺麗な一本線の雲ができていました
あ~この人はちゃんと上も見て生きてるんだなあと、いつもうつむいてる自分が情けなくなって泣けてきそうでした

「おい、灰音!いつまでもポカーンと空見上げてないで行こうぜ、寒いわ」
「うん!」

服と優しさの詰まった袋を抱えてMの助手席に飛び込みました
だって上を向いてなかったら涙がこぼれ落ちそうだったから。




にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 躁うつ病(双極性障害)へ にほんブログ村 介護ブログ 親の介護へ

web拍手 by FC2

Response: コメント: 4  トラックバック: 0  Edit 12 13, 2011 Back to top
ブログパーツ

Comment

いい話ですね(/_;)
Mさんは本当に、灰音さんにとって大切な人ですね。
多くを語らずとも、いつも気に留めていてくれる誰か・・・。

私には、一般的に彼と呼んでいいのか分からない彼がいますが、
あまり会いません。
それこそ年に数回です。
その上、転勤になって東京⇔大阪と離れてしまったので、
今後はもっと会える回数が減るのかも。
けど、存在だけでいいんです。
メールの返信とか男の人らしく、
1行だけ返ってきたりするんですけど、
それでもなんか支えになるんです。

会えないけど、X'masプレゼントを買って送る準備が出来ました。
今はカードに何書こうかなって悩んでいます~

うむ…

Mさん、ええ男さんやなぁ…
灰音ちゃんに、一万円は出させるとこにグッときたわ。

全部丸ごとプレゼントだと、灰音ちゃんが重くなってまうのを気遣ってはんのやね。

う~ん、いい奴や…
うん、私まで温かいこころ持ちにさせてもろたわ。
ありがとね( ̄▽ ̄)

miffyさま

miffyさん、遠距離は辛いですね……
絶対に物理的に会えないってわかってても、無性に会いたくなるときってありますよね
抱きしめてくれるだけでも、側にいてくれるだけでもいいから。
私が愛した人は、もうお空の上の人になっちゃったから無理なんだけど、Xマスカード送るならなんて書こうかな。。。
想いを綴ればきりがないし、「メリークリスマス」だけだと何だか味気ないし…って色々考える時間もまた何だか心が優しくなれますよね^^

monさま

う~ん。。。ええ男なんだろうか?(笑)
身勝手で人の都合とかおかまいなしですよ?
でも妙に気が効いてて憎めない。
そんなMは奥さんも子供もいて、来月には2人目の子供が産まれるというのに、女の子にはモテモテですよ?不思議でたまらんです

というか、今回方言を標準語に直すとニュアンスが違ってくるので、そのまま書いた部分もありますが、理解できましたか^^;
非公開コメント(非公開にした場合、匿名性を尊重しレスしない事があります)

Plofile

灰音



name:灰音(ハイネ)

Entry & comment
TOP 10 Ranking
Updated Information
あくまでも、私個人の好んで購読するブログさんの更新情報で、いわゆるリンクとは違いますので、ご了承ください。またクリック先でのトラブルについては一切当サイトは関知いたしませんので、自己解決をしてください
Category
QR
QR