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猫を殺(と)れ (22)

Category : KILL THE CAT
テーマ : ひとりごと
ジャンル : 心と身体
「お客さん」
「お客さん、着きましたよ」
ハっとその声で目が覚めた。戦場の夢を見ていた。
運転手に1万円を出すと嫌な顔をされた。お釣りを受け取りタクシーを降りた。
見回すとひときわ高いビルが見えた。
道路際の電信柱をみると漢字で「池袋」と書いてありその下に「IKEBUKURO」と書いた後意味不明な記号が記されていた。
さっき車窓からみた「大都会」という雰囲気ではなかったが、住宅街という感じでもなかった。
携帯電話を取り出しトミーを呼び出した。
「着いたよ」
「ああ、じゃあ周りを見てくれ8階建てのレンガ風の壁のマンションが見当たらないか?」
すぐに分かった。
「うん、ある」
「電話は繋ぎっぱなしにして向かってくれ」
「分かった」
タクシーから降りて1分もかからない場所だった
「着いた」
「じゃあ、エントランスに入ったらすぐに郵便受けがある。そこの503を見てくれ」
「見つけた。けどダイアル錠がかかってる」
「7,6,2、だ。開けると部屋の鍵が入ってる。鍵を持ってエレベーターで503号室に入ってくれ」
「OK」
言われた通りに鍵をとり、部屋に入った。
「今、入った。」
「大概の生活用具は整ってる。そこでしばらくの間生活してくれ。窓を見てくれ。背の高いビルがあるだろう?そこに行けば、洋服もあるし、そのあたりは店も多くある。日本の生活習慣になれてくれ。」
「ああ、わかったがここまで用心深いのは相当ヤバいヤマなのか?」
「その通りだ。普通の一般市民になる必要がある。」
「顔を合わせられないのは?」
「面が割れてる可能性がある。それよりダイニングのコンセントを見てくれ。携帯電話の充電器があるはずだ」
「ああ、ここからも見える」
「充電を忘れないようにな。定時連絡はしなくてもいい。ただし訓練だけは怠るな」
「了解、トミー」
「それから、だが……」
「何だ?」
「あさってから、お前に家庭教師が付く」
「家庭教師?」
「『普通』の日本語や、暮らし方、生活を教えてくれる」
「そうか、やっぱりおかしいか。」
「何かあったのか?」
「いや、オキナワでちょっとな。教科書みたいな丁寧な日本語だと言われた。単語もわからなかった」
「ははは、そうだろう。この国の言葉使いは何種類もある。それを教えてもらえ」
「分かった。で、その人の名前は?」
「美沙さん。黒井美沙さんという。しっかり勉強しろよ。じゃあな」
「あ、ちょっと待て。」
「ん?どうした?」
「大体でいい。行動開始は今からどれくらい後だ?」
「そうだな。まあ半年と言うところだ。」
「長いな……まあ分かった。じゃあまた。」
「ああ。」
電話は切れた。トミーが用意した以上セーフルームと考えていいだろう。
部屋の中を見て回った。2DKで、一部屋はベッドルームだった。
クローゼットには何も入っていなかった。
ベッドサイドにはライトと灰皿、ティッシュペーパーとなぜかコンドームが2個置いてあった。
これが日本の風習なのだろうか?よく分からなかったのでそのままにしておいた。
もう一部屋も洋室で、デスク、パソコン、3段ボックス、ドレッサー等があった。
そう言えば、と思い当りドレッサー周りや引き出しを見たが化粧品は無かった。
美沙、ミサさんといったか。来てくれたら化粧も習おうと思った。

しかし、除隊してからこっち、見る夢は戦場の夢ばかりだ。
ライトと同じく私もPTSDにかかってるんだろうかと少し不安になった。



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Response: コメント: 0  トラックバック: 0  Edit 01 19, 2012 Back to top
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