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猫を殺(と)れ (fin.)

Category : KILL THE CAT
テーマ : ひとりごと
ジャンル : 心と身体
第一報を受けた福生署のパトカーが現地に着いたのは午後3時を回っていた。
そこから直で警視庁へと連絡が入った。
捜査一課の第10班を任される安藤警部は夕方5時に本庁へ呼び出された。
他の班と違い10班だけは歴代警部が班長を仕切ることになっている。
特色があるからだ。
捜査1課長の厳命を受けた。いつもこれだ。安藤は思った。まあいい。
「おい木下!いくぞ福生だ。」
「はい、安藤さん。いつものですね?」
「分かってんなら聞くな。車回せ、行くぞ」
「はいっ」
木下の運転するトヨタのセダンに乗り込み、現地に着いたのは午後7時を回っていた。
福生署の署員が迎えてくれた。
「安藤だ」
「福生の水田です。よろしく。」
「ああ。捜査資料は全部こちらに回してくれ」
「……でしょうね。」
「中は?ひどいのか?一応は聞いているが」
「ひどいなんてもんじゃないですね。中だけじゃなく外も。」
「仏さんは?」
「全員ようやく運び終わった所です。救急車4台でピストン輸送ですよ」
「例の件は?」
「箝口令?」
「そう。」
「厳命してますが、これだけの規模じゃあ漏れちゃうかもですね」
「それを漏らさないようにするのが仕事だ。頑張れ」
「は、はあ。」
水田は不満そうだがこれも仕事だ。
「水田君、何か特筆事項はあるの?」
「え、あ、まあ、あるっちゃあるんですが現場が現場ですし……」
「ん?なに?」
「いや、やっぱりもう少し捜査してからでないと……」
「え?君何言ってるの?」
「え?」
「あ、知らない?僕たち『火消し屋』 ひ・け・し・や。」
「え!えぇ~~!?そ、そうなんですか?じゃあもう捜査も?」
「うん、無しでいいよ。君たちは物証かき集めて現場のお掃除。それだけ。」
「初めて出くわしましたよ~、いや、出会えたというか、その……」
「まあそうだろうね。そんなにしょっちゅう僕らの出番があったら困るだろ」
「っすね。事件を闇から闇に葬り去る……って、なんか恰好いいですね」
「こっちは真面目にやってるの。」
「あ、はい。すみません」
「んで?なんなのさ?特筆事項って」
「ああ、それがですね押し入った賊は遺留品から見て5人と思われるんですよ」
「うん、それは聞いた」
「それがどこ探しても仏さんが一体足りないんですよ。」
「4人分しかないってこと?」
「はあ。……それと」
「それと?」
「ガイ者の近澤のぶ子さん。この方の乗ってきた車がどこ探してもないんですよ」
「ほう。車種は?」
「旦那さんに問い合わせたところ、黒のボルボだと。」
「なるほどね。興味深い。でも、ま、それだけだね、ははは」
「で、ですよね。何もなかったことにされちゃうんですよね。捜査もなかったことに?」
「そうですよ、もちろん。」
「じゃ、言っちゃいますけど」
「ん?なになに?」
「行方不明の一人、残されたパスポートで名前割れてるんです」
「え?ほんとに?」
「はい。村崎灰音って言うらしいです」













fin.



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Response: コメント: 0  トラックバック: 0  Edit 01 26, 2012 Back to top
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