< 2017.04 | 2017/05 | 2017.06 >
12345678910111213141516171819202122232425262728293031      

夏の凶悪(3)

Category : 夏の凶悪
テーマ : 双極性障害(躁鬱病)
ジャンル : 心と身体
「と、その前に皆携帯電話は持ってるな?」
男たちが顔を見合す
「10分やる。連絡を取りたい奴は電話していいぞ。警察に電話してもいい。ただしお前らの人数や今の状況は喋るな。もし、それを喋る声が聞こえたら全員打ち殺す。いいな?じゃあ今からだ。」
4人のサラリーマンが一気に携帯を取り出し、各々電話をかけ始めた。
不思議と警察に電話をかけるものはいなかった。
そんな中バイトの女の子とジャージは携帯電話を取り出す様子がない
「どうした?お前らはかけないのか?もうこれで誰とも会えなくなるかも知れないんだぞ?」
銃口を向けながらそう言うと、ジャージがこっちを見上げながら
「別に連絡取る相手はいないです……」
そういうと、またニコニコ顔に戻った。こっちの調子が狂ってくる
「そっちは?」
バイトに銃口を向ける
「あ、ケータイは控室に置く決まりなんで、今ないんです……」
半泣き顔で答えた
店長を振り返る
うんうん、とうなずいている
「とってこい」
そういうとバイトは飛び上がって一目散に控室に向かって走って行った
一分もしないうちに戻ってきたバイトが急いでメモリーを呼び出して電話を始めた
再び店長に向き直り
「お前らもだ」
そういうと店長夫婦はすでにレジカウンターの上に携帯を2個並べて置いていた
「かけなくていいのか?」
そう聞くと店長が首を振った
全員の話し声が段々と消えていった。まだ10分経っていないが全員話し終えたようだ
カウンターの2つの携帯をまず取って床に置いた
全員から携帯を取り上げそこに集めた
「携帯2台持ち、3台持ちの奴はいるか?持ってたら出せ。後でチェックするからな。その時出てきたら容赦なく打つ。それから無線LANカードの類も出せ。PCは構わん」
一人一人をゆっくり狙うように銃口を横に動かしていく
サラリーマン2人がスーツの内ポケットから携帯を取り出した
そのうち一人がアタッシェケースから、ノートPCを取り出し、LANカードを引き抜いた
携帯2つとLANカードを取り上げると携帯の山と一緒にした
「ジャージ、店長からビニル袋をもらってこの携帯、全部詰めろ」
ジャージが目を輝かす
「はい~」
スキップを踏みそうな勢いで店長の渡した袋に携帯を詰めていく
他のサラリーマン4人、バイトの痛いほどの憎しみのこもった視線など気にしてない様子だった
「できました~」
嬉々として、その袋を持ち上げたジャージに次の指令を出した
「それをフードコーナーの揚げ物機、わかるか?油の溜まったシンクみたいなやつだ」
ジャージはコクコクとうなづきながら、目で位置を確認していた
「その中に袋の中身全部漬けてこい」
「あ、はい」
すたすたと歩いていき一気に油漬けにしたようだ。ドボボボという音が響いた
皆、大切なダイアルメモリーがあっただろう。それも失われた。身近なツールを破壊されたショックで目を見開いている
「終わりました~」
また目を輝かして帰ってくるジャージに憎しみの視線が突き刺さった
いいぞ。だが、まだまだ。憎しみは分散させればさせる方がいい
「よくやった。戻って座ってろ」
今度はバイトの子に銃口を向けた
「バイトちゃん?」
女の子が青ざめた顔でこっちを見上げた
「POP広告用の大きな紙はないかな?」
「あまり大きくはないけどあります」
声が消え入りそうだ
「じゃあすぐにあるだけ持ってきて」
「はい……」
そう力なく答えると、控室から四つ切サイズの蛍光色の紙を10枚ほど持ってきた
「店長、窓のブラインドおろして。」
店長が走って行って手で紐を引き、おろしていった。てっきり自動かと思っていた
入り口の自動ドアーの部分はやはりブラインドはなかった
「店長、セロハンテープとはさみ、貸してくれるかな?なければ商品を使うけど?」
「あ、あります。」
そう答えると奥さんの方が手際よくはさみを2個とテープカッター台にはまったセロハンテープを、カウンターに置いた
「ジャージ以外の男は、そのバイトの子が持ってきた紙で、自動ドアを目張りしろ。はみ出してもかまわん。要は目隠しになればいい。」
男たちは顔を見合わせのろのろと立ち上がった
「早く!これも10分でやれ!それからお前、こっちにこい」
銃床で殴った顔がもう腫れ始めた男を指差した。男が恐る恐る近づいてくる。
ヒップポケットから取り出したボルタレン2錠と飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルを渡した。
「飲め。痛み止めだ。いくらか楽になる」
他の男3人は作業に取り掛かっている
男は一瞬驚きながらも薬を飲み干すと、ペットボトルのふたを閉めながら「ありがとう」と言った。
飴と鞭だ。殴られて、薬をもらってありがとうもないだろうに。
「飲んだら作業に移れ」
「……はい」
男は怪訝そうな顔を浮かべながらもほかの男たちと合流した

店長に聞いた
「ここは、店舗兼住居か?」
「いいえ、店だけです」
「彼女は奥さん?」
「はい」
「トイレに窓はある?」
「いや、ないです」
「控室には?」
「埋め込み式の擦りガラスが。開閉はできません」
「わかった、ありがとう」
どうやら男たちの作業が終わったようだった。店長にビニール袋をもらうと文具のコーナーに行きカッターを一個取り、封を切った。残りの目に着くカッター類は全てビニールに入れた。
男達からはさみを取り上げ、それもビニールに入れた
手に取ったカッターから刃をだし、自動ドアの合わさる部分に切れ目を上から下まで慎重にいれていった。
これで自動ドアを開閉しても目張りがはがれることはない。そのカッターもビニール袋に放り込んだ
ビニール袋の口を縛ろうとしたとき、さっき薬を飲ました男が突然口を開いた
「まだレジカウンターと控室に刃物があるかもしれない」
全員が男を見た
ジャージに銃口を向け、探せとばかりにレジの方へ銃口を振った
ジャージはカウンターの中に入り、レジの下や煙草棚の引き出しをくまなく調べた。大型カッターが2本出てきた。
「あった、あった、ありましたよ~~」
そういいながら私の広げたビニール袋にカッターを2本とも落とした。私は今度こそ袋の口を縛ると、カウンターの上に置いた。
それにしても、あの男、自ら協力する発言をするとは……
無表情を装った仮面の下で、私はほくそ笑んだ。早速ストックホルム症候群の予兆が出だしたか……




つづく……のか?


にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 躁うつ病(双極性障害)へ にほんブログ村 介護ブログ 親の介護へ

web拍手 by FC2

Response: コメント: 4  トラックバック: 0  Edit 07 18, 2011 Back to top
ブログパーツ

Comment

、えっ?

えっ? 犯人は何をしたいの?

でも、携帯を油で揚げちゃうなんて、サイコー

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

お母ニャンさま

ふふふ……どうなっちゃうんでしょうねえ
読んでくださっているようで嬉しいです!

鍵コメさま

メール出しておきました~~^^
非公開コメント(非公開にした場合、匿名性を尊重しレスしない事があります)

Plofile

灰音



name:灰音(ハイネ)

Entry & comment
TOP 10 Ranking
Updated Information
あくまでも、私個人の好んで購読するブログさんの更新情報で、いわゆるリンクとは違いますので、ご了承ください。またクリック先でのトラブルについては一切当サイトは関知いたしませんので、自己解決をしてください
Category
QR
QR