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双極性障害者のゴール

Category : Life
テーマ : 双極性障害(躁鬱病)
ジャンル : 心と身体
三毛ニャンの記事がちょうど私のおかれた状況とタイムリーだったので書いてみようと思う。

双極性障害者(以下、当事者)の結婚について書かれているわけだが
これはなかなか難しいように思う
当事者×当事者、当事者×健常者、両方ともにかなり厳しい壁が立ちはだかっている
もちろん健常者同士で結婚していてどちらかが後から発病というパターンもある
私の大嫌いなフウラン氏もこれに当てはまるわけだが
奥様の類まれなる忍耐力と、氏の自制心とセルフコントロール(方法論には大いに疑問が残るが)によって家庭という社会の中での最小単位でのコミュニティーを持続させている点では大いに評価するべきだろうと思う
しかしこれは氏が発病までに築かれた、家庭への信頼と経済的な責務を果たしてきた結果であり、極めて例外的なものではないかと思う。
こういった「後から発病」の例を外して考えてみよう

まず当事者×当事者の場合、最大のメリットは相互扶助にあり、心理的にもお互いの心情を理解しあえるという点にあると思う。
しかし圧倒的にデメリットの方が大きいのではないか。
一番は経済的な問題である。病状の重い、軽いにもよるが、当事者の継続的な就労はかなり難しく、多かれ少なかれ公的な援助を必要とする場合が多い。子を成し、配偶者を支えていくといったパターンの家庭を支えていくには不十分なのではないだろうか。
次には、家事の問題が来る。掃除、洗濯、買い物、料理、場合によっては子育て。これらを両者のうち片方が就労して家を空ける場合には一人でこなさなくてはならない。「そんなの、考えが古い!夫婦でやればいいじゃん」と言う声が聞こえてきそうだが、果たしてそうだろうか?会社で神経をすり減らして帰ってくる配偶者にそれが望めるだろうか?一人でやるにしても一年のうち大半はその日課をこなさなくてはいけない。そこに夫婦の軋轢が生まれはしないか?
そして、子供である。夫婦だけならばいい。もし子供を産む場合、両者が薬に侵された体で健康な子を産むことは最大限の注意を払わなければならないし、それでも結果は産んでみるまでわからない。遺伝的な要素も考えなければいくまい。また、健康な子供が生まれても両親が当事者同士の家庭で、精神的にも肉体的にも健康な人間に育ちうるのだろうか。一度産んだら、少なくとも16年、長ければ20年以上「親」として子育てをしなくてはいけない事を忘れてはいけない

では当事者(男)×健常者(女)の場合はどうだろう
細かな問題は上で述べた事とそう変わらないと思う
決定的になるのは奥さんの度量であろう。
基本的に妻は「亭主元気で留守がいい」なので、旦那が就労であろうが社会的保障であろうが生活できるだけの金を稼いでくれればいい
ただ、これは性別を問わずに言えることだが、健常者に当事者の苦しみを知ってもらい、病気を本質的に理解してもらうのは無理と言ってもいいと思う
妻は、女であり、一人の健常者である。家政婦や、介護士ではない。甘えるのはいい、でも依存してはいけない。
当事者の妻となった女は常に「許し、忍耐」を強いられることになる。
就労の立場が逆転した場合、当事者の男は日常的に家庭の仕事をし、守っていけるだろうか?
男性が思っている以上に家事はハードワークだ。鬱だから、といって家事を投げ出し寝逃げをしても「あらあら、しょうがないわね」と許してくれるような度量を持った女性でないと無理だろう

当事者(女)×健常者(男)の場合
男性が健常者だった場合も同じく忍耐力と度量が必要になると思う
一匹の猛獣を飼ってると思わなければならない。仕事と家庭、どちらかを選択しなくてはならない日が必ずやってくる。
仕事からくたびれて帰ってくる。散らかった部屋を掃除する。食事を作り、不機嫌な妻に餌を与え、薬を飲ませ、食器を洗って、ネクタイを緩めてビール代わりの発泡酒を飲んで「ああ、あさっては○○の病院の日か。……半休とらなきゃな」とか考えて、背を向けて眠りについた妻の背中を見る。そんな日々が続く。
わけもわからず怒鳴られたり、気が付くと家からいなくなっていたり、疲れ切った頭に響く声で延々とマシンガンのような愚痴を聞かされる。月末にポストを除くと見知らぬ膨大な額のクレジット明細と請求書が入ってる
そんな日々を想像してほしい。
セックスも当事者は薬で性欲が消え去った人がほとんどなので、まず無理だろう


まあ、性別問わずに当事者との結婚は大小問わずこう言った無間地獄が待っていると思って間違いない。
だからやめておけ、と言ってるわけではない。
「愛」で乗り切れるのなら、それはそれで幸せなことだと思うし、嵐の道のりの中でも、一輪の花が咲くのを見ることができるかもしれない。
あくまでも、幼少期から潜在的潜伏期間を過ごし、20歳で発病した人生の半分以上を双極性障害者として生きてきた私個人の見解である。



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Response: コメント: 10  トラックバック: 1  Edit 10 09, 2011 Back to top
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Comment

同感

初めまして、猫ニャンさんの記事から飛んで参りました。

拝読致しましたが、要諦を突いた鋭い記事だと思います。

ケーススタディなどを付随すれば、そのまま出版できるのではないかと思いました。

私の場合は、「当事者(男)×健常者(女)」になるわけですが、女性側に相当程度の負担を強いることになりますので、女性側にはそれに耐えられる包容力が必要になります。

それから、病気への理解。これは実際には100%理解するのは不可能で、どの程度まで理解してあげられるかが重要です(私がよく例示するのは、「うつってどれくらいしんどいの?」と聞かれたとき、「初産の妊婦さんが看護師に"陣痛ってどれくらい痛いんですか?"と訊ねているのと同じ」で、なってみたら解るよ、というのが精神疾患だと思います。

人生における大きなライフイベントである結婚、その後の共同生活。これを一方の配偶者にだけ大きな負担を背負わせていいのか。その辺りのジレンマはありますが、当事者ー当事者の組み合わせよりはhappyになれるのではないかと、個人的には思います。

はじめまして。

私は躁鬱かかえたシングルマザーです。
働くこともできず、子供を保育園に預け、療養生活を送り社会復帰を目指していた所に、他の病気がみつかり…通院、通院の毎日です。悔しいですね。

収入は、母子家庭手当てと子供手当て。後は少しの貯金。貧乏きわまりないです。元旦那は私と結婚し、ストレスから鬱病になり休職。喧嘩がたえず二人で幼い子供を育てることは危険だと離婚を決意しました。

やはり、お金がないと精神的に追い詰められ、余計なストレスがわきますね。
育児も必死で、自分の身体を第一に考えるなんてとても無理です。

こんな状態から抜け出して少しは私も幸せを感じたいのですが 次々とくる病と闘うのは正直しんどいです。

この病気は各々が抱えるバックグラウンドが大きく関わり、一概にこうだ!と言えませんね。私も幼少期から自分が他人と違う妙な居心地の悪さを感じながら23才で発病しました。

灰音さんはよく病気と自分について考えられてて毎回blogを拝見するのを楽しみにしています。なんですかね、きどってない 素直で的確な感情が今の私にすーっと入ってきます。

私もblogをしてみたいのですが まだ病気と育児が精一杯です。
私もblogをはじめらるようになったらいいなぁと思いつつ、長々とコメントを失礼しました。



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このコメントは管理人のみ閲覧できます

Sさま

初めまして、コメントありがとうございます

私は敢えて厳しい意見を述べさせていただきたいと思います。
Sさんは、健常者の女性には包容力が必要だと書かれてますが
その包容力には果てしない忍耐、努力、許容が含まれています
それはとても男性には想像しがたい難行です。
基本的に女性は我が子には無償の包容力を以って愛します。
それは自分の血が通っているから。
旦那さんは所詮、どこまでいっても他人なのです。

>人生における大きなライフイベントである結婚、その後の共同生活。これを一方の配偶者にだけ大きな負担を背負わせていいのか。その辺りのジレンマはありますが

おっしゃられる通りです。配偶者さんだけに負担をかけるのはあまりにも身勝手です。
共依存を起し、奥様のココロが壊れても構いませんか?
結婚、共同生活と言うのは「リアル」です。
Sさんが思い描いている「幻想」の何倍も重く、つらいものです。

もし、意中の方や現在交際なされている方がおられるなら、1年程トライアル期間として同棲をなさってみてはいかがでしょう?
1年は長いかもしれませんが、結婚生活の長さを考えるのならば短い期間でしょう

参考にはならないかもしれませんが、私が男なら
この病気を抱える限り、独りでの生活を送ると思います
寂しさでココロが壊れそうになったら
電話でたわいのない話でも何でも聞いてくれるサービスを利用したり
「そういうお店」で女の子を買って、添い寝してもらったり話をしたり
そういうことで自分を慰めますね。
労りや慰め、癒し、その場での愛はお金で買えるんです。

好きな人を自分の味わっている苦痛の渦に巻き込むよりは
良い選択だと思うのですが……。

かおりさま

初めまして、コメントありがとうございます
かおりさんの状況はよく理解できます。
よく、離婚する決意をし、行動なさったと思います。
それがお子様には一番ですよね。

経済的、肉体的にかなり厳しい状況だとは思いますが
ご主人と別れた瞬間にはある種の精神的解放感があったのではないでしょうか
もちろん、離婚後の生活への不安感でそれどころじゃなかったかもしれませんが……

>この病気は各々が抱えるバックグラウンドが大きく関わり、一概にこうだ!と言えませんね。
その通りだと思います。本当ならば予兆を感じとり、その時点で何らかの対応をすれば発症することは少なくなると思うのですが、大半の方が発病してから過去を振り返り、原因らしき兆候に思い当たる。
手遅れですよね……。

私のブログを奇妙に思うのは、私が双極性障害と同時に性同一性障害でもあって、両性の気持ちが分かったり、男の体に女の心といったチグハグな自分を見つめる事が、他の方より少しだけ多いからじゃないでしょうか?
ま、普段はアホな記事ばっかりなんですがね(笑)

灰音さんがおっしゃる通り、離婚後は開放感でいっぱいでした。

今も、離婚したことを後悔しておりません。

私は旦那というより旦那の家族からの精神的苦痛に悩まされ、結局旦那が板挟みとなり、ストレスを抱え、元旦那を鬱にさせてしまいました。

他人となった今は、しがらみがとれ、不思議なもので子供の父と母としての関係が新たに築けてきております。

そして一番の喜びは、昔は喧嘩もたえず、二人共が鬱と躁鬱で子育てなんて無理でしたが、旦那は順調に回復し、仕事にも復帰し、今は身体を動かせない私の代わりに公園で遊んでくれたりと、サポートしてくれております。

離婚し、他人になったからこそ、お互いストレスも減り自由に生きている気がします。他人を信じる信じない等ではなく、最終的に自分の人生を乗り越え、生きていくのは結局自分自身だと思っています。

ま、問題は金銭面なんですがね 笑
でも、なんとかやっていってるので贅沢はいいません。

後、灰音さんのおもしろいBlogも好きですよ(*^_^*)

鍵コメさま

初めまして、コメントありがとうございます
最後までしっかりと拝読させていただきました
また気軽にあそびにきてやってください^^

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

かおりさま

>離婚後は開放感でいっぱいでした
ふふふ、やっぱりそうでしたか。現実的にはとても悲しい選択だけれど、精神健康上は正しい選択だったわけですね
旦那さんもご実家の事情、かおりさんの心情の板挟みになってうつ病を発症されたのでしょうね
「他人」となられて、旦那さんの病状も快方に向かい安定されているようで何よりです
子供と言うのは、かおりさんの最初のコメントにもあったように、幼少期から肉体的に成熟するまでは、自己防衛のために常に周りにアンテナを張り巡らせ警戒を怠りません。周囲の変化をいち早くキャッチするんですよね
双極性障害の経済力のない片親、というだけでも(露骨すぎてごめんなさい)お子さんにとってはハンデであるし、不安な事だろうと思います
でも回復された元ご主人がサポートにまわってくれているというだけでも、幼いながらも何かこう安心感が得られるのではないでしょうか?
将来、お母さん思いの子供さんに育ってくれると信じたいです。

私事ですが、先日彼との同棲生活にピリオドを打ちました
引っ越しの手続きがあるので、未だに彼の家に住ませてもらっていますが、実質は他人となりました。
あれって何なんでしょうね?かおりさんのパターンと同じく、疲弊した二人の関係が幻だったかのように、今はお互い思いやり、笑って過ごしています。
人間って不思議ですね~~

鍵コメさま②

コメントありがとうございます
この記事は私の判断により規約
秘密にする (基本的に、鍵コメにした場合、匿名性を尊重しレス致しません)
通り敢えてレス致しませんが、ご心中痛み入ります。
非公開コメント(非公開にした場合、匿名性を尊重しレスしない事があります)

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